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バック・ステージDIARY/赤毛のなっちゅん

バック・ステージDIARY

大浦 みずき / 小学館

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赤毛のなっちゅん―宝塚を愛し、舞台に生きた妹・大浦みずきに

内藤 啓子 / 中央公論新社

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10代の終わりに宝塚にはまった時、夢中になった男役さんが大浦みずきさんです。
ダンスが上手で、色気たっぷりのオレを見ろ見ろオーラが出せる素敵な方でした。
一方舞台メイクを落とすと溌剌とした少女のようで、
茶目っ気のある人柄も大好きでした。


一年前肺がんで急逝されました。
宝塚卒業後も舞台で活躍されていて、いつか行きたいと思っていましたが、
かなわないことになりました。

バック・ステージDIARYは、To the Party というショーを企画してから幕を開けるまでの日記。
軽妙に綴られています。芥川賞作家の阪田寛夫さんのお嬢さんでもあるんです。
久しぶりに宝塚文体読みました。

ショーの準備に並行してレ・ミゼラブルなどの舞台出演の多忙な日々をひょうひょうとこなしてます。

「赤毛のなっちゅん」は大浦さんの実のお姉さまが書かれた本です。
なつめさん(大浦さんの本名)の幼いころから宝塚時代、卒業後、そして闘病を見守った記録です。

子供の頃はかんしゃくもちだったこと、お人よしの頑固者だったことなど、
身近な人にしか分からない人柄や、
宝塚のスター街道の道のり、それを家族ぐるみで支えるところ、楽しく読みました。

またご自身が宝塚ファンでいらっしゃるのでその視点での観劇記も面白かったです。
高汐巴さん、若葉ひろみさん、剣幸さんといった、夢中で感激していたころの方々の名前や、
私も観た演目の感想もとても懐かしかった。

そして、不調を訴えるようになってから病が進んでいってしまう日々。
舞台への情熱を失わず、ファンへの気遣いも忘れず、
でもお姉さまにはわがまま言って困らせるなつめさん。

お姉さまも、実のご両親と嫁ぎ先の親御さんの看病も重なって、
どんなにか大変だったかと思うのですが、ご苦労はさらりと書かれていました。

発行が11月14日の一周忌です。この日に間に合うよう書きあげるのは大変だったと思います。

ぽわーっと舞台を見上げた幸せを思い出し、
今再会して一人の女性としてなつめさんを感じさせてもらって、うれしかったです。
by tamaki_jnb | 2010-12-23 08:07